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君が大人になる夜に
降った夕立の境界線
夜を夜たらしめるのは
きっとこの夕立が泣き止んだあと
君が大人になる夜に
寝息を殺した枕カバー
大人たちがここへやってきて
お月様みたいな顔をするんだ
君が大人になった夜
さみしい、さびしい、さみしい
遮光カーテンをめくって
きっとあちらが西方向
だんだんと明るくなる君の夜
だんだんと暗くなるここの夜
少しだけ見えた
あちらさんとこちらさんとそちらさんに
オレンジ色の微笑み
さみしい、さびしい、さみしい
君の夜は明るくてお月様なんて見えないのだろうな
あそこのカーブを曲がったら見えるおうちに
オレンジ色の微笑みは見えなくて
つめたい、暮れた、ふれたい
とてもつめたい角っこに
ひとりぼっちのお月様
ここでは何も、生み出せない
ただ、つめたいだけの夜に
君は大人になったのね
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なんと6年前に書いた詩です。
(本を読むだけでなく詩を書いています(°_°))
なんか、さびしそう
けどそこが好き、です。
わたしが生み出すものの中に
さびしさがあるのが好きです。
ちなみにカバー写真も撮りました(4年前?)